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一条さゆり 濡れた欲情のakihiko810のレビュー・感想・評価

一条さゆり 濡れた欲情(1972年製作の映画)
4.1
gyaoで視聴。日活ロマンポルノ。神代辰巳監督。
1972年度のキネマ旬報の日本映画ベストテン8位、映画芸術ベストテン2位。

関西ストリップの女王・一条さゆりにライバル心を燃やすはるみ。さゆりの引退興行にも出演することになったはるみだったが、ショーが終わったところに警察の手入れが入り……。

ストリッパー一条さゆりの名を関しているが、本当の主演は後輩はるみ役の伊佐山ひろ子。伊佐山を一条はるみだと思って途中まで見てたのだが違った(爆)!
初期ロマンポルノの中でも傑作とされる本作を鑑賞してみた。

「なかなかなんけ〜なかなんけ〜」という印象的な唄「なかなかづくし」から始まる。ものすごく「昭和の大阪」の匂いがしてよい。
はるみは「父親が死刑囚」「孤児院出身」といった出自を印象的なフラッシュバックを交えて語るのだが、どうやらすべて嘘らしい。なんだそれ(苦笑)
ジェットコースターに乗りながらセックスしたり、衣装ケースの中に入って警察から逃亡したりとやりたい放題。この時代(昭和の、70年代)が持つパワフルさがぎっちりと詰まっていて好き。
そして一条さゆりのストリップシーンの合間に、鳩が飛ぶショットを挟んだりするあたり、淫靡・猥雑さの中に「これは映画芸術」であるという矜持を感じた。

ロマンポルノは、本作と「(秘)色情めす市場」しか観たことがないが、「(秘)色情めす市場」ほどの大傑作には及ばなかったようだ。しかし、本作は本作で傑作映画であることには間違いない
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