やまモン

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のやまモンのレビュー・感想・評価

4.2
自宅にて鑑賞

(簡易レビュー)

①様々な示唆にとんだ作品である。心に刺さりました。

②第二次世界大戦における英国の暗号解読に関する実話を元にした物語である。

③何かしらの偉業を成し遂げることができる人間は「普通」ではなく、「普通」を求められず、また、「普通」であることを許容されない。

④また、偉業とは意外な人物によって、或いは、意外なきっかけによって為されるものでもある。

⑤故に、志を遂げたいのであれば、「普通」であることを辞めなければならない。常識人間を捨てて、心の安息ともサヨナラしなければならない。

⑥「普通」でない、突き抜けた人間の足を引っ張るのは、いつでも愚かなその他大勢。いわゆる「普通」と「常識」である。現代も変わらない。しかし、これらは、安易な安息を与えてくれるが、根本的に無意味であり、無価値である。

⑦彼らはその偉業によって多くの命を救ったが、必要に迫られ犠牲にした命も少なくない。これは許容されるべきか?明確な正解は存在しない。しかし、なぜ彼らが戦勝国で我々が敗戦国なのか。一つの答えであると考える。

⑧私もまた「人でなし」なのである。

⑨難解になりがちな内容が物語として美しくまとまっていて、世界に引き込まれた。

⑩3つの時代を交錯させながら、主人公の内面や、同性愛の問題、戦争における偉業の意味、さらにはその代償について掘り下げられている。静かでありつつもアツい。