まりぃくりすてぃ

雪夫人絵図のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

雪夫人絵図(1950年製作の映画)
2.2
美しいものを美しく、おぞましいものを “トゲトゲしくも雅びに順序立てて” 描破したつもりなんだろうけど、しょせん女性の心理&体をほとんど理解してない人たちの作った殿方専科フィクション。ありえなさすぎる配役の、キモ男は愛人と一緒に痴人の愛でもやってればいい。監督以下全員、「八百屋お七」などの哀切実話から女心のリアリズムを学んでおくべきだった。火星と金星のことだけわかってても水星や木星をわかりそこねたままじゃ太陽系映画を創れない。それと一緒よ、溝口さん。
せめて…………正論ばっかりの美男(上原謙さん)が最後にダークサイドを見せるとか、雪夫人(木暮実千代さん)が「狂人として命長らえる」とかすればまだ人間の何かを語ったことにもなったんだけど。

にしても、悪い映画が最後に「死」となるケースってマジ多すぎる。逃避に結局みんなが憧れてるんだね。