エイデン

メイズ・ランナーのエイデンのレビュー・感想・評価

メイズ・ランナー(2013年製作の映画)
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1人の青年が檻の中で目を覚ます
エレベーターのように凄まじい勢いで上昇していく檻の中には、“WCKD”と書かれたドラム缶などの荷物もあったが、檻の外には得体の知れない生き物までおり、若者はパニックになりながら助けを求める
やがて檻の上昇が止まるとそこは地上で、多くの人々が彼を見て品定めをするように囁き合っていた
彼らは慣れた手つきで青年を引っ張り上げると、檻の中の荷物を取り出していく
恐怖に駆られた青年はその場を逃げ出すも転倒し、捕まってしまうのだった
やがて彼の前に、アルビーと名乗るリーダー格の青年が現れる
アルビーに名を問われるも、彼は自分の名前も何故ここにいるのかも思い出せなかった
しかしアルビーも慣れた様子で、2日で名前は思い出すと声を掛け、“グレード”と呼ぶこの場所を案内し始める
そこは四方を森と高い壁に囲まれた平原で、皆同じくらいのティーンの青年が集落を作っていた
ここには彼と同じように、月に1回あの檻“ボックス”が必要物資と共に“グリーニー(新入り)”を運んで来ると言う
そんな中 彼は壁の一部に通路のような隙間があることに気が付く
それが何かとアルビーに問うと、彼は「役割を果たすこと」、「“グレーダー(仲間)”を傷つけないこと」、そして「壁を越えないこと」という3つのルールを告げるのだった
その後 副リーダーのニュートや、彼の前にボックスで運ばれてきたチャックを紹介される
今夜の宴のために忙しいというアルビーに代わりチャックが案内役を務めるが、彼の目はあの壁の隙間に釘付けだった
チャックはそこに入ってはいけないと伝えるも、中からグレーダーが出てきたのを見て、彼は隙間へと近づいていく
そんな彼をギャリーという青年が押し倒して制止する
ここにはいたくないと言う若者に対し、皆は必死で入るのを止めるよう言い聞かせるが、その直後 壁の隙間は不気味な音を立てて閉じていくのだった
その夜 宴の席で呆然としていた若者はニュートに声を掛けられる
気さくなニュートは、自分達は実質この壁の中に閉じ込められている状態であることを語り、あの隙間は昼間の間だけ出現し中には“迷路(メイズ)”が広がっていると説明する
そこは危険な場所で、ミンホという青年が率いる“ランナー”という選ばれたグレーダーしか中を探索できないらしかった
ランナーは毎日メイズに入っては内部の構造を調べて出口を探していたが、メイズの構造は日々変化しており、3年掛かっても成果は得られずにいた
またメイズからは必ずその日のうちに帰って来なければならず、入り口が閉まってしまうと“グリーバー”と呼ばれる何かに襲われ、生きて帰った者はいないと言う
その後 好戦的なギャリーに挑発された若者は、レスリングのような試合に挑むことに
その最中 地面に頭を打ちつけてしまった彼は、唐突に自分の名前がトーマスであると思い出す
トーマスは改めてグレーダーの一員として認められるが、次第に恐怖に脅かされながら生きる彼らの実態が見え始め、メイズを越える決心を固めていく



ジェームズ・ダスナー原作のヤングアダルト小説を映画化したシリーズ1作目

ミステリアスかつSF要素満載の世界での決死のサバイバル
ジュブナイルっぽい雰囲気はありながら、友情よりも恋愛よりも命!と言わんばかりの死に物狂いっぷりを中心にしたスリリングなアクションが観られる

またそれ故に殺伐とした人間模様もたっぷり描かれ、キャラ濃いめなティーン達によるゴタゴタに次ぐゴタゴタも違った意味でスリリング

一方で積み上げれるのは謎の数々
メイズとは何なのか、集められた子ども達の正体、黒幕は誰かなど、ストーリーが展開するにつれて風呂敷が広がりまくる
当初から3部作の触れ込みで、その1作目だから仕方ない面も大きいけど、やや悠長には感じるかな

少し前の『ハンガー・ゲーム』のヒットで殺伐めなヤングアダルト小説の実写化映画の流れを汲んだ作品
同年には『ダイバージェント』も公開されてるほど乱立してる中だけど、個人的には世界観やアクション、人間模様のバランス感も含めて本作のが好き
ここは好みの関係もあるけど、シリーズまとめて試してほしい作品
観ましょう
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