まーしー

LUCY/ルーシーのまーしーのレビュー・感想・評価

LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)
2.5
「人間は脳の10%程度しか使っていない」
「人間の脳が100%覚醒したらどうなるのか」

リュック・ベッソン監督、スカーレット・ヨハンソン主演のSFアクション。
ありそうでなかった設定。既視感と斬新さが融合したような着眼点。

平常時は制御されている脳の力が開放されると、超人化することは誰しもが想像できる。問題はどのような超人になるのか、だろう。

ただ、個人的には本作で描かれているヒロインの超人化に共感できない部分が多かった。
記憶力が良くなったり力が強くなったりする点までは納得できる。しかし、他者の視点を盗めたり機械を遠隔操作したりできるだろうか。これらは超能力の類であり、人智を超越するものであって、「脳の力が開放されたら獲得できる能力」というには無理があるのではないか。

そして、ラスト。あまりにも飛躍した展開。まさに想定外。多くの観客が置いてきぼりとなったのではないか。

とは言え、本作はあくまでも娯楽作品。90分程度の短い尺で気軽に鑑賞できるという点に主眼を置くならば、そのような細部へのツッコミは野暮かも知れない。
ヒロイン演じるスカーレット・ヨハンソンの美貌と、時折挿入されるアクションを楽しむという割り切りさえあれば、好感の持てる作品だと思う。

良くも悪くもエンタメ性に重点を置いた、リュック・ベッソン監督作品だった。