えむえすぷらす

LUCY/ルーシーのえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)
3.0
「トランセンデンス」に続くシンギュラリティをテーマとした作品。ヨーロッパコープ&リュック・ベッソン監督作品は俳優に金かけても他で帳尻合わせますし、そもそもベッソン監督の方向性は?となることが多くて期待はしてませんでしたが、意外に楽しめました。これぐらい振り切っていると最近のヨーロッパコープのアクション+家族愛など緩さが目立つ作品と比べたら、私は納得出来た。ただ、シンギュラリティというのは、人によってはデタラメに見えるような話になり、映画世界のリアリティラインのオフサイドにしか見えないはずで、そこが本作の可否を決める一線になるとは思う。
本作、冒頭のルーシーが台北で巻き込まれるシーンでの頻繁なギャグカットの挿入はそこまで観客信頼しないのかと爆笑。(肉食獣が襲うとか本編見ていれば分かるし、スカーレット・ヨハンソンの演技台無し)
その後は、何故ルーシーにそんな事やらかすのか、お前、チェ・ミンスクさんが怖くないのか、殺されるぞと問いただしたい展開。
そしてその後、ルーシーが特異点を超えた訳ですが案外説明はなしにiPadアクションしたりするので、このトンデモ展開を許せるかどうか=映画世界のリアリティラインオフサイド問題だと思います。私は心の中で笑い転げていたのですが、その中でチェ・ミンスク率いる韓国マフィアの決死の戦いは何故か光っていて流石は「新しき世界」の人だと思った次第。彼が出てなかったら相当緩い映画になったと思う。

ルーシーの能力、一応理屈はあるはずですが触れたいたように見えなかったのは手抜きではあります。そこを観客が補正出来れば楽しめるかなと。。。というかベッソン監督、どこまで考えてあの結末にしたかというと怪しい気はしますが。

※シンギュラリティ(技術的特異点):予測可能な技術進化から異次元の飛躍が起きる時点。本作だとルーシーの能力が飛躍的に進化して世界への干渉、例えば物理法則を都合良く変える等出来るようになるという事になっているように見えます。「トランセンデンス」でももう少しまともな理屈はあったなと。。。