グラビティボルト

マジック・マイクXXLのグラビティボルトのレビュー・感想・評価

マジック・マイクXXL(2015年製作の映画)
3.7
終盤のダンス、選曲がSWの「 duel of the fates」のリミックスという抜群のセンスでシビれる。
夜の砂浜、互いの顔すら視認出来ない中で出逢った男女が、ステージでスポットライトと喝采浴びて、ラストショットは花火(しかし花火は映さない)。見事!

今回はグレゴリー・ジェイコブズというソダーバーグの腹心が撮っている訳だが、上述した花火を映さない引き算な撮り方による醒めた手触り等、随所にソダーバーグのイズムが残っている。とか思ったら、編集と撮影はピーター・アンドリュース(ソダーバーグの別名)な訳で、多分にソダーバーグの引き算な魅せ方が光っている。

まず、面白かったけど男根主義的だったマシュー・マコノヒーに捨てられたダンサーが奮起するという語りが、前作の批評になっているんだけど、ダンサーが己のパフォーマンスを「女を騙す為」ではなく
「歓ばせる為」に再定義するのでボルテージが切れない作りにしてるのが良い

ジョー・マンガニエロ演じるリッチーが、マコノヒーに課せられた役割を放棄して本当に自分がやりたいパフォーマンスに回帰する場面、
コンビニ店員を笑わせる件になった時にウィンドウ越しに彼を見守る仲間達のリアクションとか、ソダーバーグ本人には無さそうな温もりがあった