メル

ラブ&マーシー 終わらないメロディーのメルのレビュー・感想・評価

3.6
ザ・ビーチ・ボーイズのブライアン・ウイルソンの半生記。

何と言ってもポール・ダノが若い頃のブライアンにとても良く似ているので、ファッションも含め60年代の映像にはワクワクした。

ビートルズを意識して録音に臨んだ「ペット・サウンズ」では、新しい音を作り出そうと必死になり、チェロ奏者に何時間もダメ出ししたり、挙句の果てに動物までスタジオに。
当時は本当にこんな風に録音したんだろうなぁ…と感慨深い。

ポール・マッカートニーは後に「ペット・サウンズ」に影響を受けて「サージェント・ペパーズ…」を作ったと言ったとか。

才能ある人間同士がお互いに刺激し合う話は感動的だ。

ビーチボーイズの活動中止後、ブライアンは薬漬けになっているとか、精神を病んでいるとか色々な噂が日本にも流れた。

20代前半に大成功を収めてしまった人間がその後も順風満帆に人生を送るのは難しいのだろう。
アメリカの様に市場がビッグだと動く数字も半端ではない。
取り巻く人間や親でさえも狂い始めるのは良く聞く話。

精神が不安定になっている時の映像表現は中々良かった。

一つ残念だったのは途中で配役が変わり80年代のブライアンを演じたのはジョン・キューザック。彼はどう見てもチャラいイメージで、ブライアンには見えずジョン・キューザックそのままだった。ショック!

代表作のサーフィンU.S.A.の盗作問題もスッキリしチャックベリーとも和解出来た様なので、元気で活躍している73才のブライアンに心から拍手を送りたいと思う。
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