茶一郎

マジック・イン・ムーンライトの茶一郎のレビュー・感想・評価

3.8
ウディアレン監督 45作目

『タネがないモノがあっても良い』

ウディ汁全開。45作目ということで、私事ですが改めて数えた所、ウディアレン監督作を半分ちょっとしか見ていないことが判明致しました。
「ミッドナイトインパリ」で興行・批評的にも何度目かのピークを迎えた79歳のおじいちゃんを誰か止めた方が良いと思いつつ、毎年一本は映画を作っているウディアレン氏には一生、頭が上がらないでしょう。

内容については、合理的な偏屈おじさん(今作ではコリン・ファース)が年下の美少女(エマ・ストーン)に恋するという
『またかよ〜』なウディアレン自身の恋愛歴に基づく恋愛映画です。
勿論、軽くて面白かった。

個人的にはウディアレン映画の中では、1920年代頃の時代設定と美術、エマ・ストーンの可愛さが相あまり割と好きな方です。
(上述しましたがあまりウディアレン映画を見ていませんが…)

カップルで日曜の昼にゆっくりみたいですね。上映時間も100分弱とタイトなのも良い点だと思いました。

改めて自分の言葉で表現すると、
故、立川談志師匠が松本人志氏を評する時にウディアレンの名前を出していたように、全編『落語』っぽいんです。
『落語とは人間の業の肯定である』は立川談志師匠の言葉ですが
そう考えると、ウディアレン映画に一貫しているのは、ある種の人生への諦めから『業の肯定への気づき』なのかもしれないなあ、と思いました。

辛くて無意味な人生だけど好きなモノは好きで良いじゃん!だって好きなんだもん!
……と人生の大先輩でもあるウディアレン監督に軽ーく、でもズッシリと重い御言葉を頂けるのが、ウディアレン映画の面白さでもあり、自分が同監督作が好きな理由なのかもしれません。


カラッと楽しめる、疲れた週末の午後にオススメの一本でした。
もちろん、恋愛描写にキュンキュンできる一本でもあるのではないでしょうか。
茶一郎

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