えむえすぷらす

マジック・イン・ムーンライトのえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

4.0
一言で言うとコリン・ファースの皮を被ったウディ・アレンが出ていた映画。

前半2/3は降霊術を巡るバトルですが、一番神秘的なトリック使ってそのタネが割れないのが降霊術否定、科学第一主義の奇術師なのでリアリティラインがよくわからなくなってしまう。
ただ本作のテーマはそのあと1/3(もないか)で語られる所がキモ。

降霊術を巡るバトルは現実世界では中々興味深いエピソードが残っているのですが、ウディ・アレンの物語世界で大雑把な設定だけになってしまう所があって食い合わせが悪い内容だった。降霊術ではなく別の設定に少しずらせば全然行けたと思うので惜しい気はしました。

追記。「ローマでアモーレ」のような複数のエピソード並行させる作品の中の一つなら面白みがもっと生きたと思う。短編を長編にしていてライトな物語か重くなり、さらにウディ・アレン固有の過剰な台詞の機関銃の重さが増す。登場人物がもっと動く作品だったらどうなったかと想像すると楽しい作品だと思う。