亘

人生スイッチの亘のレビュー・感想・評価

人生スイッチ(2014年製作の映画)
3.6
過去の過ちの埋め合わせや仕返しは、思わぬ展開を生む。いじめや不倫、挑発、事故、恨みなど小さなことが重なり大事件となる。そんな大事件に巻き込まれる人々を描いたアルゼンチンのブラックコメディ短編集。

1.お返し 原題:Partonak (パトロナック)
その飛行機の同乗者は1人の男性ガブリエル・パルトナックを通しつながっていた。しかしみんなガブリエルに謝るべきことがあった。

2.おもてなし 原題:Las ratas (ネズミ)
町の小さなレストラン。雨の夜来た客は、従業員の女性の家族を崩壊させたギャングの頭だった。料理人の女性は殺鼠剤を料理に混ぜることを提案するが、そこにギャングの息子が来店する。

3.パンク 原題:El mas fuerte (最強)
ディエゴは高級車で高速道路を走っていた。しかしボロ車がノロノロ運転で鬱陶しい。彼は暴言を吐きつつボロ車を追い越すが、その先でパンクして立往生。するとボロ車の男がスパナを持って彼の車に近づく。まさに今話題のロードレイジを描いた作品。

4.ヒーローになるために 原題:Bombita(爆弾犯)
シモンは車のレッカー被害の常連。何度も何度もレッカーされ罰金を払っている。いくらレッカー業者にクレームをつけても業者は取り合わず、シモンはついに決心をする。

5.愚息 原題:La propuesta(提案)
サンティアゴは父親マウリシオの車で妊婦をひき逃げしてしまう。マウリシオは息子の将来を考えて使用人ホセを犯人に仕立てようと弁護士、検察と取引を試みる。

6.Happy Wedding 原題:Hasta que la muerte nos separe(死が分かつまで)
ロミーナとアリエルは結婚式中の新郎新婦。幸せそうな2人だったが、ロミーナは参列者に夫の浮気相手を見つける。彼の浮気を確信し失望した彼女は式を飛び出す。

どれもやりすぎな感がしたけど短編集だからサクサク見られて、それぞれの全く異なる人間模様をつまみ食いできるような楽しさがあった。やりすぎたからこそ、その後には予想外の展開が待っていて代償を払わされたり時には称賛されたり。個人的には「4.ヒーローになるために」がハッピーエンド(?)で皮肉で好きだった。

余談
原題は"Relatos Salvajes"、英題はその直訳"Wild Tales"です。日本語だと「手に負えない物語」という感じでしょうか。
亘