人の性格はもともと持って生まれたものもあるだろうけど
その人が生きてきた環境や人間関係によって形成されるものだろう。
小さい頃から虐待を受け続けてきたドヒが
家族から離れて生活するようになったとき
悪いことをしても殴ってくれる人がいない
と自分自身を傷つけているシーンがつらかった。
彼女は殴られることに慣れすぎていた。
誰も頼ることが出来なかった日常から
自分をまっすぐ受け止めてくれるヨンナムとの出会いによって人から受ける愛情の尊さを知り彼女に依存してしまう。
そこから自分がしあわせに生きていくために犯していく罪から
いままで彼女が背負ってきた痛みを知って心が痛かった。
だけど家では虐待に遭い、学校ではイジメに遭うドヒが
人間不信になることなく
好きな人に好きだと言える感情があることが救いだった。
闇のような日々の中でもヨンナムとドヒの生活という光があったから
虐待や差別と重いテーマを扱った本作だけど
思っていたよりも重くなく、引きずられることなく
むしろ美しい作品に出会えたなと温かい気持ちになった。