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ドクター・ドリトルのRのネタバレレビュー・内容・結末

ドクター・ドリトル(1998年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

1998年のアメリカの作品。

監督は「ゆかいなベティー家/我が家がイチバン」のベティー・トーマス。

あらすじ

医者のジョン・ドリトル(エディ・マーフィー「ユー・ピープル〜僕らはこんなに違うけど〜」)は家族にも恵まれて、尚且つ病院合併の話も舞い込み、順風満帆な生活を送っていた。そんなある日、真夜中の急診から帰る途中、運転していたドリトルは野良犬を轢いてしまう。轢き殺したと思った野良犬は生きていたが、人間の言葉で怒鳴りつける声を聞いたドリトルはその日から動物の声が聞こえるようになってしまう。

ディズニープラスにて、何度目か。

もちろん、大好きな作品です笑。コメディスター、エディ・マーフィーの何度目かの当たり役にして、20年にロバート・ダウニー・Jrの同名作品もあったけど、未だに原作である「ドリトル先生」の映画化作品といえば、この作品を挙げる人が多いのでは?

お話はあらすじの通り、原作はヒュー・ロフティングという小説家による児童文学なんだけど、原作の舞台が主にヴィクトリア朝のイギリスだったのに対して、今作は現代設定、しかも主人公のドリトルが「動物と会話できる」という、言っちゃえば特殊能力以外は、ほとんど別物のキャラクターとなっている点。

多分、これが大正解。ヴィクトリア朝のイギリス設定そのまんまだったら、まぁ初めて観る人にとってはとっつきづらいし、原作に出てくる架空の動物「オシツオサレツ(胴体の前後に頭がそれぞれついてるヤギみたいな動物)」とかのファンタジー要素を廃してリアル路線で、より描きたいものを描けるしね(ちなみに、オシツオサレツ自体はサーカスのシーンの背後にちょろっとそれらしいやつは出てくる)。

で、その結果、やっぱ動物が人間語をペチャクチャ喋るだけで楽しいことになってる。加えて全体的なノリがコメディ調なので言ってることがいちいち面白い。あと、久しぶりに今回見返して感じたんだけど割と子ども向けなのに下ネタが結構多めで、所々直接的だったw

あとは、やっぱエディ・マーフィーの爆笑演技よ!!急に動物の言葉がわかるようになった際のワァー!ワァー!と喧しく聞こえないフリをするところとかあたかも平然を装って誤魔化そうとするところとかも面白いんだけど、精神病棟にぶち込まれた際にラッキーとケンカした後のブチギレて雄叫びあげるシーンが個人的には最高。その後のドリトルの姿に若干引いてる本物の患者たちにわぁー!と脅すところの患者たちの怯える様含めてエディ・マーフィーのイカれ演技の最高峰を見た。

お話的には上述の通り、リアル路線のファンタジーなので、初めは利益主義で家庭を顧みず、嫌なやつだったドリトルが動物と話せるようになって、成り行き上ではあるが野生の動物たちの怪我や悩みを診断することになるんだけど、そこで患者(動物たち)を救うことで医者としての「やりがい」を取り戻していく流れは秀逸。

ただ、そんなアブノーマルな特技のせいで、どんどん動物たちが押し寄せてきて、葛藤していく中でのお父さんのシーンがグッとくる。実は幼少期に既にドリトルは動物の言葉がわかっていたんだけど、ある悲劇でその特技を封印せざるを得なかったんだけど、その要因であったお父さんその人がドリトルに直接諭すのではなく、「普通ではない」ことに思い悩むドリトルの次女マヤ(カイラ・プラット「ドクター・ドリトル ザ ・ファイナル」)にかける言葉で「間接的」に言葉をかけるところが実に大人〜!

で、クライマックスはなんとトラの手術!!どうやら脳に血栓がつまってしまい、重篤なトラに対して、もちろんトラの手術なんてしたことがないドリトルがトラと会話をしながら見事手術を成功!という着地も爽快なんだけど、ドリトルが動物と話せることなんか全然知らない同僚のレイス(リチャード・シフ「記者たち〜衝撃と畏怖の真実〜」)がめっちゃいい人で力になってくれたり、奥さんのリサ(クリステン・ウィルソン「魔女っこツインズ」)がトラの手を握って安心させたりと動物だけでなく「人間」も力になってくれているところがまた良いんだよな!

だからこそ、ラストは獣医に転職するのではなく「人間」も「動物」も治す医者になって終わるラストもドリトルらしいというか…すごく良い。

ただ、一点どうしても本作で許せないのは、あの甲殻アレルギーのババア!アレルギー甘く見すぎ💢ただでさえ、甲殻アレルギーって重篤だと命の危険だってあるのに、あんなにアレルギー反応出ても、また懲りずに食べてて…。描写も変にリアルで気持ち悪かったし、あれは未だに観てもキツいし、腹立つ。

そんな感じで久しぶりに観たけど、もちろん出てくる老犬ラッキーや他の動物たちもかわいいし、アニマルムービーの中では個人的に思い入れもあるし、お気に入りの一本。
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