まさに才色兼備と呼ぶにふさわしい女性アデライン(ブレイク･ライヴリー)｡
しかし彼女には秘密がある｡
ある日の出来事をきっかけに当時の年齢29歳から老いることが止まってしまったのだ｡
そのことを周りにバレないよう各地を転々とするアデラインだったが､偶然昔に愛し合った恋人と出会ってしまい...｡
これは美しすぎるブレイク･ライヴリーが演じたからこそ､この非現実的な設定でも難なく受け付けることが出来たと思います｡
様々な髪型､服装の彼女を見れて眼福の極みでした｡
そして本作の“ほぼ不老不死”という設定が不思議とラブストーリーによく合う｡
誰もが憧れる能力として必ずと言っていいほど挙がる不老不死｡
しかしもし本当にそうなるとしたら?
それはそれで嫌かも｡と初めて思えました｡
愛する人と同じように年を取れない辛さなんて解りはしないけど､考えてみただけで辛いことが想像出来ます｡
自分だけが置いてけぼりな気がするはず｡
もし共に同じ時間を巡っても共に人生を歩むことは出来ず､それが嫌だから怖いからと言って愛する人を遠ざけはしても思い出に押し潰されるだけ｡
そんな人生は､能力は果たして幸せなのか｡
別に恋人だけの場合じゃない｡
友人関係にも当てはまる｡
仲のいい友人は老いるのに自分だけあの頃のまま｡
確かに若さは尊いものだけど､老いるのもまた同じく尊いことで｡
その時その時は当たり前だけどその時にしかなくて｡
そう考えると不老不死なんて優れた能力なんかではなく､劣った能力なんではないでしょうか｡
人間の老いというのも一つの美点なのかもしれません｡
先程述べた様に本作は非現実的ですが､ドラマの部分が丁寧に描かれていたことや登場人物の苦悩や心の葛藤が見えるので伝わってくるのものが非常にリアルでした｡
歳をとることへの意識を必然と変えられる良作恋愛作品です☺
