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アデライン、100年目の恋のwhiskeyのレビュー・感想・評価

アデライン、100年目の恋(2015年製作の映画)
3.5
「天国から来たチャンピオン」や「ビューティ・インサイド」のようなファンタジー映画。本作は、主人公の女性がある事故により、身体が29歳のまま全く老化しなくなった、という設定。

とてつもない美女なので、老けないなんて永遠にハッピーな生き方ができそうなものだが、そうもいかない。愛する人が自分を置いてどんどん歳をとっていく。それこそ添い遂げることなどできない。別れは悲しいので、最初からできる限り人と距離を置き、交わりを絶って隠れるように生きる。

この種の映画に不可欠な「唯一の理解者」は、本作では主人公の娘だ。美貌の母を追い抜いて、娘はもう老婆になっている。それでも2人だけでいる時は常に娘らしく振る舞い「ママ」と呼びかける。しかし真実を知らない人に会う時は、「彼女の祖母です」と偽りの自己紹介をする。この設定がとても切なかった。

メインのストーリーは恋愛で、主人公はついに真実を打ち明けようと決意するほどの男性に出会う。それで、彼の父にも紹介されるが、じつはその父はかつての・・・という流れで、まぁ色々ありますがそこは省略。

タイトル通り100歳ぐらいになって身体だけ29歳だった場合、人はどんな恋愛をするのか。いや、そもそも恋愛をするのか。まぁ歳をとってもいつまでも異性に恋心を抱くものだそうだけど、精神年齢が極端に違ってもうまくいくものなのかな。初めて一夜を共にするシーンは、その辺りの逡巡のようなものが描かれず一足飛びに男女の関係になるので、ちょっと違和感あったというか、もう少し丁寧に描いてほしかった。でも楽しめたので文句はないです(←このフレーズよく使いますが)。

ブレイクライブリーという女優さんは初めて見た。本当に美しい方。ウディアレン作品にも出ているので、そちらも楽しみだ。

前情報なしで見たので、ジョーンズ教授が出てきたのは驚いた。ちなみにインディジョーンズでは、ショーンコネリー演じる父と親子で同じ女性のハニートラップに引っかかる(笑)。大好きなシーンで、本作とは全然関係ないけど思い出したりした。

恋人になる男性の部屋を初めて訪れる場面で流れているジャズが良かった。デクスターゴードン「The Rainbow People」。知らなかったので聴いてみようと思う。
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