Tラモーン

アイアムアヒーローのTラモーンのレビュー・感想・評価

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)
4.0
ホラーチャレンジ第十段!
…ゾンビはホラーなのか、というご指摘は一旦保留していただきまして、32歳にして始まりました人生初のホラー映画チャレンジの10作目はあゆこパイセンよりオススメいただいた本作でございます!ありがとうございました!


うだつの上がらない漫画家・鈴木英雄(大泉洋)は15年前に新人漫画大賞の佳作を受賞してからは結果の出せない35歳。アシスタントをしてなんとか食い繋いでいるが、ボロアパートに一緒に住む彼女・てっこ(片瀬那奈)からはとっくに愛想を尽かされている。心の支えは趣味のクレー射撃に使用する散弾銃とその所持免許。出版社への持ち込みをいつものように突っぱねられ、てっこに家を追い出された英雄が、翌日家へ戻ると待ち受けていたのは変わり果てたてっこだった。ZQNと化したてっこに襲われ、命からがら逃げ出した英雄だったが、気がつけば感染は街中に広がりZQNが溢れ返っていた!

"英雄(えいゆう)と書いてヒデオです"


凄かった!公開当時から話題になってたけど、邦画だと思って舐めてたらいけいレベルの作品だった。やっぱりテレビ局の介入が無いとここまでやれるのか。というか邦画は本当にここまでやらないと他のアジア映画に置いてかれるぞ、この映画を見習え!って思うくらい凄かった。
元々の原作漫画がそもそも面白いんだろうけど(未読)、主役の大泉洋をはじめとしてキャラの立った役者の演技も、日常とパニックのバランスも、容赦のないゴア描写も文句のない作品だった。

大泉洋。この人は本当に人間味があるというか、特段イケメンなわけでもないのに日本で役者として売れているのはやっぱり彼の演技力なんだな。ビビって二の足を踏む演技とか、こんなに感情移入させてくれる俳優もなかなかいない。ぼくも見知らぬ女子高生助けて君づけで呼ばれたいもん。

有村架純は本当可愛いな。このころ既に20代だろうにちゃんと女子高生に見えちゃう。ぼくもこんな女子高生助けて君づけで呼ばれたい。すぐセリフが無くなるけど、クライマックスのあのセリフのリピートの威力は凄まじい。あれでヒーローになろうとしない男は真性のヘタレや。

そして我が静岡の誇り、長澤まさみは10代のころの可愛さから年齢を重ねて強い女性としてのキャラが立ってきた。今の30代女性で逞しくて綺麗なお姉さんって言ったら間違いなく彼女。ちなみにぼくが個人的に1番好きなのは『SING/シング』のアッシュの吹替と、『海街diarly』の佳乃さん。

アウトレットに築かれたコミュニティの人たちもリアルなキャラ立ちでよかった。実際あんな状況になったら無法地帯からの統治支配が生まれてあんな風になってくんだろうな。ちなみにあのアウトレットも我が静岡の御殿場アウトレットがモデルで間違いないよね。更にいうと、ぼくの営業先の商品のダンボールがバッチリ映っててテンション上がった。
あと英雄がルイスレザー入るとこ笑った。

日本でゾンビパンデミックが起こったらああなるんだなという、日常へのリアルな落とし込みと、ZQNのビジュアルの気持ち悪さ(特に新聞入れから見るてっこの動きの不気味さはトラウマ)のバランスが最高だった。
ショッピングモールではなくアウトレットでの籠城もとても日本的だし、銃のない日本社会だからこそ英雄の特異性が見事に際立っている。

お前いつそのショットガン使うんだよ!と散々イライラさせられたものの"藪さん伏せて!"は最高のカタルシス。
「世界がひっくり返っても変わらない男」は何故変わることができたのか。誰かのために変わることのできる人間の強さに痺れまくった。ヒーローになりたかった男は、口先でだけでなくようやく誰かのヒーローになれた。

"鈴木英雄です。ただのヒデオです"

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GW初日の4/29から5/1まで、妻子と義両親と義兄弟(妻の弟×2、妻の妹)とキャンプに行って来たんですが、まぁ楽しくも肩身の狭いキャンプでした笑。
天気が悪いし、子供が小さいからと義父が友人からキャンピングカー(4人+子どもが寝られる)を借りてきてくれたんですが、まぁ初日の段取りが悪く、いきなりキャンピングカー備え付けのタープが壊れ、極寒の夜の中その撤収に追われ、テント設営が遅れ、まさかの男性陣は自家用車で寝る羽目に。
義父はぼくにキャンピングカーで寝るよう言ってきましたが、代わりにマイカーで寝かせろと来るので絶対嫌ですと拒否し、義父をキャンピングカーへ。

クッソ寒い中、キャンピングカーの妻子を尻目にマイカーで1人寝袋にくるまるぼくは、さながら「水曜どうでしょう」ヨーロッパリベンジ編の大泉洋のようでしたとさ…。

"よく聞け。ここをキャンプ地とする"
Tラモーン

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