エディ

シェフ 三ツ星フードトラック始めましたのエディのレビュー・感想・評価

3.2
一流レストランの料理長がオーナーと対立しクビになったものの、家族や友人の協力でフードトラックでキューバサンドの移動販売を始め成功するまでを描いた映画。ストーリー的にはもっと感動しても良さそうなのに、いまいち共感できなかったのは、まるで「Twitter」の宣伝みたいな脚本や演出が好みじゃなかったからかもしれない。

ロスの名門レストランのシェフである主人公カールは、オーナーから料理のことでいろいろ口に出されていていらついている。そんなある日、グルメ界に多大な影響力を持つカリスマブロガーが来店することになったので腕を振るおうしたカールだが、オーナーに命じられ定番料理を出したことでブロガーからボロくそのレビューを書かれてしまい激怒する。カールは息子からTwitterを教わって、好き勝手に悪口を書くブロガーに復讐をするのだが、個人メッセージのつもりで送った悪態が公開メッセージになっていたことから、カールの暴言が拡散され、カールはクビになってしまう。オーナー批判もしたカールを雇ってくれる店もないので、カールは移動式屋台でキューバサンドを売る店を始めることになった。。。

この映画のテーマは、「オーナーに邪魔されて理想の料理を作れなかった主人公が、キューバサンドの移動屋台という小さな舞台で好きな料理を提供できるようになった」という職人的な美学の物語だと思う。しかし、どういうわけかこの映画はTwitterが過度に強調されているのだ。結局、カールがクビになったのは、アイスケースに入って写真をアップして店をクビになる「バカッター」と同レベルなのだ。

この映画はSNSの意図しない拡散性などの弊害にフォーカスを当てすぎているように思える。随所にTwitterが仮想空間を飛んでいくキャプチャーが出てくるので、まじめに「TwitterのPR映画?」と思ってしまうくらいだ。この辺のTwitterに過度に依存するスタイルのせいで、ちょっと引いてしまった。

そして、そもそも論だが、主人公の性格設定が過激で余りにも偏屈な人間で描き過ぎているので、カールの行動に共感が出来なかったのだ。オーナーに制約されていた苦しみはわかるけど、店内でキレたりTwitterで暴言吐いたりするのは行きすぎに思えたので、「カールがバカッターで人生詰んだだけじゃん」と感じてしまった。

主人公を偏屈な性格の設定にしているので、さぞ料理にこだわっているのかと思いきや、ほいほい作るキューバサンドの店を始め、素人の息子に焼きを手伝わせるなど、いまいちプロ意識が感じられない。B級グルメなので主人公をもっと明るいキャラにしていればこれでもアリなのだが、なまじ偏屈なキャラ設定にしているので、移動屋台を作ってからの努力もいまいち共感できないのだ。

「オーナーとケンカして人生を棒に振った結論の料理がこれかよ?」と思ってしまう。

ラストも、あまりにも強引なハッピーエンドなので、ストーリー的には絶対感動する映画になると期待した分、ちょっとがっかりした。