ひでやん

百円の恋のひでやんのレビュー・感想・評価

百円の恋(2014年製作の映画)
3.7
実家に引きこもりゲームばかりして自堕落な日々を過ごすだらしない女と、
ボクシングに没頭する女のギャップが凄い!
別人のようなビフォアーとアフター。
演じるというより、心も身体も斎藤一子という女になり、彼女の人生を生きている感じだ。

ボクシングにのめり込み、シャドーする姿がカッコイイ。
肉体改造だけじゃなく精神改造もされ、凛々しい顔つきになった。

ボクシングのプロテストの定年は32歳。
32歳の一子にとってギリギリの年だ。
100円ショップの元店員が貰いにくる廃棄の弁当のように、一子が変われるチャンスの消費期限ギリギリ。
ここで辞めちゃったら生まれ変わる心が腐って廃棄され、また自堕落な生活に戻ったかもしれない。

ボクシングで生まれ変わった女の物語…
ではないね。

「百円の恋」というタイトル…
そうだ、これはラブストーリーだ。
狩野と出会いボクシングを知った。
狩野と別れボクシングを始めた。
と言っても、お前が好きだ!私も好きよ!なんて台詞は言わないし、壁ドンもない。
なんとなく一緒に暮らし始めた2人、
ラストシーンで一緒に食事に行く2人。
惚れたハレたは言わずもがなの2人、
そんな恋の形もある。
そんな2人のラブストーリー。
ひでやん

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