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チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛のskm818のレビュー・感想・評価

3.8
勘違いと見込み違いが人の運命を狂わせていく話で、2組+αの話が見事に噛み合い、しかもロミジュリタイプの悲劇と思ったら最後誰も不幸にはなってないんだよな。上手いなあこの脚本と思ったら、これ原作者とトム・ストッパードの共同脚本か。納得するわ… 前半ちょっと寝てしまい、奥様と画家の関係の進展っぷりがよくわからなかったのが残念。いつのまにか魚屋はチューリップに狂っているし。変な女に財布すられたと思ったら屈強な男が出てきてボコられて海軍送りとか、最初からスカウトのための罠だよなー笑  修道院の院長がやり手だったり、画家が手にするはずの大金を目当てに集まっている借金取りとか、やっぱり飲んじゃって全てを台無しにするガチョウを怖がる友達とか、マリアの青いマントとか、セクハラ医者とか、全ての配置が完璧って気がする。あの医者ちゃんと伏線だった。そして旦那…コルネリスさんいい人すぎやん… 騙されてかわいそうだが、この役割の人が堅実な大金持ちの実業家っていうのもいいですね。おちょくられるのは金持ち。花嫁を金で買ったことの報いってことだよね。でも多分東インドで得ることのできた家族はそういうものではないのだろう。
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