えむえすぷらす

チング 永遠の絆のえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

チング 永遠の絆(2013年製作の映画)
4.1
ある事件の責任を一身に背負って長期刑を受けた主人公ジュンソクと知人の息子ソンフンを軸とした韓国ヤクザ映画。前作は未見ですが、その経緯を知らされていないソンフンと同じ立場として見る事になります。必要な情報は作中でソンフンに対して明かす形で対処されており作品の理解上問題はなかったと思います。

ジュンソクの父がどのような人物だったか1964年前後の話も並行して描かれますが、現代時間軸には大きく関わらず観客側がどの時代の話を見ているか注意してみる必要が生じてしまっていたのはちょっと残念。

抗争パートはそれなりにやり合いますが、ジュンソク陣営に対する報復攻撃はこいつが殺される?と思っていたら意外な展開になって観客に衝撃を与える計算はされているし成功もしている。最終決戦もそういう展開なのですが抗争の駆け引きのパート自体が短いのが残念。こういったやり合いはもう少し見ていたかった。

韓国ヤクザ映画としては「新しき世界」という新しい基準が出来ているように思うのですが、本作はちょっと魅力が足りない気がする。
本作はそれに対してジュンソクとソンフンの他にジュンソクを敵視する元弟分という存在があってそちらの描写も力を入れられていた為に話の焦点がぼやけてしまったように感じられてしまったのが原因か。ジュンソクとソンフン役の役者の演技は見物なのでその点でお勧めしたい作品だと思う。

追記:福岡のヤクザが出てくるシーンは日本語になっているあたりきちんと考証の意識がある作品になっている。この点は面白かった。