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NY 心霊捜査官のKのレビュー・感想・評価

NY 心霊捜査官(2014年製作の映画)
3.3
エクソシスト×刑事

初めて「エクソシスト」を観た時は悪魔の禍々しさに慄いたが、昨今悪魔を題材にしたホラー映画はゴマンと存在する。

そんな中でも本作は他とは一線を画す。

主人公はNY市警に勤め日々DVや幼児虐待といった目を覆いたくなるような事件に晒され、心身共に疲弊し、家族との時間をとれないでいた。

悪魔はそんな心の弱さに漬け込み、人を追い込んでいく。

自らの弱さや過去の過ちと向き合い、自分の中の「悪」を断ち切ることによって「悪魔」を制す。

「悪魔」は非現実な存在であるが、それは人間なら誰しもが抱く自分の中「悪」そのものなのである。

現実社会に目を向けて見て、日々の親が子を虐待死させるような事件を「悪魔」の所為にできればまだ楽だろう。

それが人の手によるものであるからこそ、「悪」は決して霊的なものではなく自らが生み出すものであることを理解する必要がある。

話が逸れたが、本作は刑事ドラマとしてのリアリティさと悪魔という非現実なジャンルを上手い具合にミックスさせ、単なる悪魔映画に留まっていないのが本作の魅力である。

いかにも日本の広告代理店が考えそうな安っぽいタイトルには惑わされるずに是非鑑賞してほしい。
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