死んだ夫と遺された妻が織りなすロードムービー。
イメージ的には黒沢監督によるジャンル映画に対するいたずらという感じ。黒沢監督特有のショットを見せたかと思えば、それをあっさりと捨てて大仰な音楽に古き良き恋愛映画のようなカット割りを見せる。
いたずらでもあり、黒沢流の照れ隠しでもあるのか。映画を愛していれば一度くらいコテコテの恋愛映画も撮りたくなるでしょう。トリュフォーが晩年古典に回帰していったが如く、黒沢監督も古典へ立ち戻っていく日は・・・多分ないと思いますが(笑)
最後に
ここは少しだけネタバレかな↓
個人的には瑞希が手がすべすべになったと喜んでいるシーンと、バスから駆け下り逆行きのバス停に走っていくシーンが好きでした。とくに前者は少しミュージカル的な動きをしてました。一連の動作と瑞樹以外の物質的な動きもいいですね。