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エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方のskm818のレビュー・感想・評価

3.7
出会った男とすぐ寝ちゃう女が仕事で出会ったスポーツ医となんとなくつきあい始めてあーだこーだ。全編オゲレツワードと固有名詞(映画関係とスポーツ関係が多い)が飛び交い、PC的に際どい台詞もあったりで、字幕鑑賞だけど十分楽しめた。こういうの米語わかったらもっと面白いと思う。
ティルダ・スウィントンがエイミーの働く雑誌社の編集長の役で出ていて、珍しくまともな役だぜと思ったら、人としてむちゃくちゃ異常だった(作ってる雑誌の中身もどうかと思うが、多分ウケてるのだろう)。でもこういうの、こういう業界で人の上にいる人としてはフツーなのかもしれない。エイミーみたいなのは、自分でスレてると思ってるだけで、こういうとこではむしろ真面目で純情すぎるのではないだろうか。
エイミーにせよアーロンにせよ、高等教育を受けていてある程度の収入のある白人にふさわしい教養やセンスや常識を持ってる一方ビミョーにダサいというのがいい。ビリー・ジョエルのあの曲とか。
一方で、キムの友人の奥様方の世界ひどかったな。誰にも言ったことのない秘密が、夫の就寝後にひとりでアイスクリームとかさー、ああいう世界、うっとおしすぎておいらも生理ナプキンの話とかしてしまいそう。あれが普通の生活ならばおいらは異常でいいよと思っちゃう酷さだな。でもああいった人たちがエイミーの階層では世間の多数派なんだろうなあ。
そんな世界の構成員を密かに見下してるエイミーは愛すべきダメ人間。エイミーのパパも愛すべきダメ人間。冒頭の離婚の理由の話とかマジでダメすぎ笑。周囲に対して毒舌を吐きまくってたけどでもその相手からすら愛されているとか素晴らしくお得だな。本人は自分のことどう思っていたかわからないけど。毒を吐いたり内心バカにしたりしている多数派にそれでも許され愛されてるって屈辱的なものでもあるけど、そうしてある意味周囲に甘えて生きていけるというのが、世の中の優しいところなのだろう。
それにしてもティルダ・スウィントンの編集長と変態嗜好の16歳は気持ち悪すぎた。
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