結湖

レヴェナント:蘇えりし者の結湖のレビュー・感想・評価

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
3.9
レオ様、アカデミー賞主演男優賞、授賞おめでとうございます。
思えば、私とレオ様の出会いは『ロミオ+ジュリエット』でございました。当時、『ギルバート・グレイプ』で助演男優賞にノミネートされ、授賞は逃しましたがレオ様ならいつでもアカデミー賞は手にできると誰もが思ったことでしょう。
それから、『タイタニック』で大スターになり、その美青年っぷりに日本はもちろん世界中が虜になりましたね。
まさか、レオ様がオスカーを手にするまでにこれほどの時間を要するとは。
そんな思いをかみしめながら本作を鑑賞いたしました。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を見た時もこれでオスカー獲れないってどんだけアカデミー賞ハードル高いんだよ!って思ってましたが、今回は文句なし、痛みと寒さと孤独と恐怖と苦しみと憎しみが押し寄せてきました。圧巻です。
映像も自然光だけで撮ってるそうですが、そのため全体的に彩度の低い寒色系でまとめられ、中でも風景の映像はどこを切り取っても絵画のように美しいです。
物語はシンプルな復讐劇ながらもその大半は300キロを生還するサバイバルで、フィッツジェラルド(トム・ハーディー)をうめき声あげながら追いかけるグラス(レオナルド・ディカプリオ)の執念に鬼気迫るものがあります。
しかし、この映画のテーマは復讐にあらずで、それは息遣いを印象的に使っていることからもわかります。(あんなに画面を曇らせるってのはタブーに近くないのかなって思います。セリフに頼らないメタ表現でもありますよね。)繰り返されるセリフにもそれは表れています。
作品として面白かったのは作品賞を獲った『スポットライト』だと思いましたが、この作品も最後まで気の抜けない映画でありました。
2016/04/23:ユナイテッドシネマ今治(字幕)
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