エディ

最高の人生のつくり方/最高の人生の描き方のエディのレビュー・感想・評価

3.3
すかした不動産屋が疎遠になっていた息子から突如孫娘を預かったことで、自己中だった生き方を少しずつ変えていくハートウォーミングストーリー。
いかにも「最高の人生の見つけ方」の監督らしいが、予定調和的なストーリー展開があまりにも陳腐なのと、ラストの感動を演出するために不自然すぎるくらいに主人公を性悪に描いた前半がいまいちに思えた。

不動産業で成功していたオーレンだが、家庭は上手くいかず孤独な日々を過ごしている。そのストレスか、自宅の周辺に作ったアパートに住む賃借人たちに嫌がらせをしているのでみんなの嫌われ者だ。

そんなオーレンのところに音信普通だった息子が突如やってきて、自分がムショに入るのでそれまでの間だけオーレンの孫になる娘を預かってほしいと言い残して去っていったのだ。孫の存在も知らなかったオーレンはびっくりし、はじめは静かな生活が邪魔されるからと嫌がっていたが、隣の家に住む賃借人の女性リアに助けを求めるうちに、オーレンの心境に変化が見えていくようになった。。。

と書けば、クライマックスやラストまで読めてしまうだろう。サプライズも何もない予定調和的なストーリーだ。勿論、オーレンを演じるマイケルダグラスやダイアンキートンは渋く味のある演技をしているけど映画に深みは全くない。

しかも、この映画の問題はクライマックスまでの平板さを補うために、前半のオーレンを過度に嫌な奴にしているのだ。いじわる爺さんの域を超えている描き方をされてしまうので、彼が変わっていってもオーレンに共感しにくいのだ。あまりにも偏屈だったので、「あんなじじいがこんなに急に変わるはずがない」と思ってしまう。

なので、やりすぎだった。せめて、前半に彼の「そうは言っても実は良い奴」というエピソードを盛り込むだけでも違ったと思う。

なお、この監督は●●の一つ覚えのように「最高の人生の見つけ方」「最高の人生のはじめ方」、そして「最高の人生のつくり方」と「最高のハウツー映画」を作り続けているように思えるが原題は全く違う。二匹目のどじょうを狙った日本の配給会社がセンス無さ過ぎるだけだ。。。

と言いたいけど、この映画に関しては「最高のハウツー映画」の二匹目のどじょう狙いにしか思えないのが残念だ。
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