その弱く儚い心を支えていくために、何かを信じぬには生きられない人間という不完全な生き物。
そのために創造された神・宗教・信仰。
それに救われ、時に都合よく解釈し、利用し、そして時には権力と密接に関わり合い人が人を統治していくために使われる。
自らを救済するために作り出した神に翻弄され、争いが起こり、殺し合う人間たち。
絶対的なユートピアなどあり得ないこの世界で、人が生きていくために、必要でいながらも、災いの元にもなるもの。
どちらにしてもそれなしでは生きていけない人間。
長尺でありながらも、密度の濃い構成で全く長さを感じさせない。重厚なテーマでありながらも、エンターテイメント映画としても秀悦。
個人的に好きなテーマ、描き方だということもあり、今年の洋画No. 1有力候補。