タイトルや予告編から予想される内容を遥かに超える奥深い作品だった。
「隠れビッチやってました」なんてタイトル過少申告じゃねえか、と突っ込みたくなるようなシリアスな内容だったが「やってた」という過去形になってるからウソではない。
この映画は隠れビッチの物語ではなく、自分という人間の本性を見るのが怖くてそこから逃げていた女の子が、あることをキッカケに自分や周りの人たちと生まれて初めて正面から向き合うようになるまでを描いた物語だ。
隠れビッチだった彼女は本当は愛してほしいだけだった、だけど彼女は愛された事がないゆえに愛し方を知らなかった。
それまでも全く共感出来なかったひろみの行動がさらにエスカレートしていき、その要因と思われるものに本人が気づいてしまう展開は本当に恐ろしい…
もうそこからは隠れビッチどころの話ではなくなってくるので「もうやめてあげてくれ」と願いながら観るしかない。
なかなかのシリアス展開をぶち込んでくる。
そんな彼女の境遇を知りながら助けてくれる友達や大切な人と共にそれを乗り越えていく姿は応援したくなった。
そこそこ面白い映画かと期待して観に行ったら、予想を上回る良い映画だったという満足感が今も残っている。
佐久間由衣ちゃん、隠れビッチな前半はまあまぁかなと思ったけど、シリアスになっていく後半、前半の演技プランも計算通りなんだとわかってビビった。
あれは自分から目を背けて定型的な自分を作っている女の子を演じていたんですね。
佐久間由衣…スゴい女優じゃないか。
P.S.
エンドロール後のサービスシーンでもう一度ゾワッとしてください…そんなに簡単に戦いは終わらない。。