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ドラゴンボールZ 復活の「F」のArts0001のネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

復活のF、そしてDBに死の予感

過去のDB劇場版は、すべて観ていますが過去最低の作品です。

現代でドラゴンボールを劇場版にするのは難しいと常々思っていましたが、悪役がフリーザという点で期待をしていました。

ドラゴンボールは強さのインフレが激しく、劇場版の悪役はそれなりのハードルの高さが求められると考えたからです。

余談になりますが。
ONE PIECEの劇場版『ONE PIECE FILM Z』は悪役の威厳を丁寧に描くことで、そのキャラクターならルフィより強くても納得できるという、物語の根底をなす部分がしっかりしていたため良い作品になったと思っています。

短い時間に、悪役の威厳をどのように示せるかでバトル漫画の劇場版の良し悪しも決まると勝手ながら考えています。

その点について今回は、原作でディテールが表現されているフリーザが悪役なわけですからパッと蘇って、強さがインフレした悟空と戦えたとしても、「私は天才ですから修行すれば勝てます」の一言でフリーザ様ならやってくれるんじゃ。。。という気持ちにさせられます(欲を言えば修行描写はほしかった)



納得できない人もいるかもしれませんが、前作でのビルズのセリフで「フリーザを倒せるやつなんていたの?」というものがあり、これを聞いたあとだと、フリーザにはまだまだポテンシャルがあるという設定が生きてくると感じました。

ここで一つ大きなハードルは超えていると思い、その後の展開にも期待しました。

が、できは正直満足のいくものではありませんでした。
子供向けに作られているものなので、あたり前かもしれませんが、その一言で片付けられない点だけは列挙して行きます。

まず、致命的なのは戦闘が面白くない。
過去の作品と比べてしまうとガーリックJrやメタルクウラの時のような戦闘のスピード感や、見せ方が格好良くないです。

フリーザ以外の敵がなんとなく寄せ集めた感。Z戦士達もなんとなく寄せ集めた感があり面白くないです。亀仙人は戦えて、餃子やヤムチャが戦えないのはおかしい。悟天とトランクスが戦いに気づかないのもおかしい。
ピッコロがフリーザの手下に手こずるのもおかしい(修行前のフリーザに一撃でやられた奴よりも、悪い待遇を受けていた奴に手こずるのはおかしい)

また、重症だと思った点はフリーザが復活シーンで部下を殺すのを生温く表現したところ。過去のドラゴンボールではフリーザのビームは貫通、もしくはまる焦げになるはずです。
それでいてビルズ様が星を壊すシーンはそのまま描きます。

つまり、なんとなく残酷な描写は排除して、都合の良いシーンだけを選択して見せているわけです。ビルズ様が星を壊してもその星の生命体が死ぬ描写は描かないわけです。

子供向けの映画で暴力だけを描いて残酷なシーンは見せないというのは逆に不健全だと感じました。

ビルズのくだりがイチイチ戦闘に水をさします。戦闘中に余計な喋りを入れすぎて緊迫感が全く高まりません。

悟飯のジャージがダサい。

フリーザが思ったより弱い(上記で褒めた分、ガッカリ感も強い)

最低だと思ったシーンはフリーザの切り札が部下の手元からでる光線銃だったところ。あんな切り札で悟空がやられるようなら最初から光線銃を量産して打ちまくれば良かったのでは?油断していたからやられたでは済ませられないご都合主義です。

オチも爽快感がありません。
フリーザの名前を使ったからには相応の物を作ってほしかったです。残念。

今の子供達が可哀想ですね。ドラゴンボールがこのままコンテンツとして死んでいかないことを期待します。
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