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シン・ウルトラマンのArts0001のレビュー・感想・評価

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
3.5
面白くなる一歩前で引き返してる作品

シンウルトラマンを遅ればせながらアマプラ鑑賞。まず観終わってから思ったのは映画館で観たかった。です笑

映画の中身についてですが、総じてテンポがいいです。
というか最初の数分、これまでのあらすじ的怪獣の紹介と文字のつるべ撃ちはやりすぎ。

怪獣の登場と禍特対の役割を示しつつ、1つのエピソードが終わったら次のエピソードへ。展開が早く、それなりにウルトラマンの戦いもあるので上映時間を長くは感じませんでした。冒頭の怪獣紹介も世界観を端的に広げることには役立ったと思います。

しかし、あえてこういう言い方をしますがもっと面白くなりかけてるところで引き返している感じが否めない。
全体的に余韻がないのが良くなかったです。

まずは外星人ザラブ、メフィラスの2つのエピソードはひとつで良かったと思う。どちらも知的生命体が行う外圧的侵攻にどう立ち向かうかが話の流れですが、どっちかでいい気がした。どちらも話の展開に対して人類が頑張った感が薄い。

山本耕史演じるメフィラスのキャラ立ちやセリフはすごく良かった。
戦いの真の黒幕感があったし、女性の匂いで探知的な展開も馬鹿馬鹿しいが笑える。だがここも、すごく駆け足な感じがしてもっと創意工夫して人間とウルトラマンが力を合わせてメフィラスを追い詰めてる感じにしないと勿体無い。
あまりに駆け足だからかザラブに騙されて、メフィラスに騙される日本政府が無能に見える。

知的生命体とのいざこざに時間を使ったためか、シンプルな怪獣とのバトルは最初のみ。
メフィラス戦もいいところで、メフィラス撤退。
なんだかエピソードの区切りが尻すぼみに終わった感じ。

最後のVSゼットン戦も空想科学読本の読者ならニンマリの展開だったのだが、これも人間の役割を無理やり持たせるための展開にとどまってしまっていたのが残念。
人類は頑張ってる感だけだしてる印象。禍特対の各キャラクターが個性を発揮して難題を解決する作りになっていればもっと盛り上がったはず。

この展開にするくらいなら最後は宇宙恐竜ゼットンとの壮絶な殴り合いが見たかったですね。
ラストシーンも会話で終わらせていて、すごく淡白な印象。

あと今回は空中や宇宙戦が多いせいかCG感が目立つ。テリっとしたCG感のあるキャラクターが暴れるのは昼間のシーンは特にきついね。
あえて画面を汚すとかすればバランスが良くなるんだろうか。。。
(スペシウム光線の一発目のシーンは良かった!)

やっぱりシンゴジラのバランス感覚は神がかっていたんだと再認識した作品でした。
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