どこか不安定な若者達が心の拠り所を探す刹那的な音楽映画。
楽曲やファッション、舞台であるスコットランドの街並み、ノイズを乗せたり彩度を変えた画面など終始漂うMVのようなお洒落さ。
バンド形態ではあっても、歌に乗せて胸中を明かすミュージカルのような描写が度々ある構成。
爽やかなサウンドにどこか陰りが見え隠れする歌詞のギャップが胸をつく。
本編では複数曲が流れるが、特に中盤のダンスナンバーが好き。
演出的には時間経過をカレンダーやテロップでなく、服用する薬の残量で表現していたのが面白かった。
本作は主人公のイヴの行動に対する受け取り方で評価が分かれそうだなと。
自分も観ていて、まさしく"自分本位"だよなと突っ込みたくなる場面もあったり。
また、物語の展開にあまり抑揚がないので、2時間弱が若干長く感じてしまった。