橘

雨の日は会えない、晴れた日は君を想うの橘のレビュー・感想・評価

4.3
ショックな出来事が起こったときに笑ってしまいその後凄く自分がわからなくなった事があるので、この作品じわじわ心に残っています。
感情まとめられなくて観てから1ヶ月後くらいの今になってレビューしようとしているけれど、それでも上手くまとまらない。

「妻のことを愛してなかった。死んでも悲しくなかった」と言葉には出しても、でもそれも何か違う…よく分からないけど、でデイヴィスは身の回りの壊れそうなものを全て分解し始めたのだと思います。自分の心を知りたいのか、心から目を逸らして別のことしてようという逃避なのか。どちらでもありそう。
自販機の件でのクレームで個人的な事情を吐露されても、と思いましたが、デイヴィスはカレンとクリスに出会えて良かった。これはお互いに…特にクリスには。
「FXXKも言い過ぎると馬鹿に見える」はつくづく同感です。奇行だらけに見えて、やっぱりデイヴィスはまともな人なんだなと思えました。防弾チョッキ着て、クリスに撃たせるのはヒヤヒヤした。。


破壊を繰り返しながら、少しずつ自分の想いに気付いていくのが丁寧に感じられました。力技じゃないし、語り過ぎになってなくて良い。
言葉で伝わる事もあるし、行動でしか示せない事もある。伝えるのを諦めなければきっといつかは。


破壊のインパクトはあるけど、淡々とした世界観で静かな映画でした。不思議な空気。好きです。
橘