妻を亡くした男のゼロから再生を描いたダラス・
バイヤーズ・クラブ、ジャン監督の
【ヒューマン・ドラマ】。
金融マンのデイヴィス(ジェイク・ギレンホール)
は交通事故で妻を亡くすが、何の感情も湧かな
かった。妻を搬送し、亡くなった病院の自販機で
商品が出ず返金して貰おうとお客様相談担当の
カレン(ナオミ・ワッツ)に手紙を書き始めて
から彼女が気になりだし、会ってみたくなるが…。
デイヴィスの愚行には全く共感(特に会社の物を
分解したり、仕事を妨げたり。)出来ないが、
客観的に観て脚本が面白く、クライマックスの
【ある事実の判明】もあり中々見応えがあった。
それはジェイクの演技達者のお陰も多分にある。
本作の比較対象として引き合いに出されそうなの
が、西川美和監督の【永い言い訳】だ。日米2作
は似て非なる物という感じがした。
確かに、妻が死んだ、でも泣けない。と、物語に
子供が絡む。という共通点はあるにはあるが、
永い…の主人公、衣笠(本木雅弘)は亡くなった
妻に罪悪感があり、本作の罪悪感はどちらかと
言えば逆だ。あと、衣笠は自ら人の為(子守)に
なる事を率先するが、デイヴィスは破茶滅茶で
人に迷惑ばかり掛けているという点が真逆だ。
社長で義理の父(クリス・クーパー)が「お前が
死ねば良かった!」とキレるのも無理はない。
面白いのは、2作とも亡くなるのが妻(女)
で、残された旦那(男)のドラマを描いている
ところ。日米共通して女は強い、直ぐに再生、
先に進める(或いは男は純)という証だろうか。
ラスト、2方は再生の道を開く。