このレビューはネタバレを含みます
これ好き…というか、好ましいな、お手本みたいな、良い映画、って感じ。
「妻を亡くした男はやもめ、親を亡くした子供は孤児、子供を亡くした親には名前がない、なくていい」
あっ、良いセリフ、映画のセリフだ!って感じ。
状況説明のセリフの入れ方も上手…良い脚本。
あんな綺麗な家をバールで破壊したり、イヤホンの音楽を聴きながら身体が動くままに通行人の中を歩いたり、あの、やっちゃいけないことを気持ち良くやっちゃう感じ、映画だ! って。
なにより、ジェイク・ギレンホールが演じることで独特の空気感が漂ってたのがいい。ジェイク・ギレンホールの"なんかやべえ感じの奴"、というキャラクターが生かされてて、好きだった。
彼女の息子との交流の様子、擬似親子的な関係なんて、やり尽くされてる関係性だけど、ジェイク・ギレンホールの欠陥人間っぷりと、ロッカーかぶれな少年の佇まいが良かった。双眼鏡で観察する、アイテムも良い。
鏡に口紅でマトを書いて頭を撃ち抜くフリ、防弾チョッキ越しに銃弾を撃ち込まれて擬似的な死を楽しむくだり、クレイジーで良かったな…
控えめな音楽が成功してた。丁寧な映画だと思った。
自分の気持ちに鈍感な男が感情のあり方を見つけるまで。
あの少年もまた、ゲイなのかバイなのかわからない、曖昧な状態で、そこから脱出するまでだったんだな。
カレンの描き方も好ましかった。
邦題も良い。好きかと言われると違うんだけど、とにかく好感度が高い、良い映画だった。