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ロスト・エモーションのmahのレビュー・感想・評価

ロスト・エモーション(2015年製作の映画)
3.2
感情を持つことが"感情制御不能症(SOS)"と名付けられた世界で生きるサイラス(ニコラス・ホルト)。SOSは誰がいつ発症してもおかしくない。そしてSOSには治療薬がない。
サイラスは自分の違和感に気づき病院を訪れると結果はステージ1。
SOSを発症したサイラスは、ニア(クリステン・スチュワート)との距離が近づくごとに己の感情の高ぶりを認識し、強い感情を抱いていく。


モダンで美しい建物や、統一された衣装にAIと思しき音声案内。無骨で洗練された建物や無駄のない造りからは、多様性だとか個人の個性といったものを感じさせず、ある者によって統一されたという社会の構造を感じる。
不気味なほどに画面がとても静かで穏やかなSFラブストーリー。
ストーリー自体は大味で破綻している部分もかなり見受けられたが、登場人物の繊細さが魅力的。精神面での繋がりを深めていくラブストーリーで好みだった。


「正しい」という言葉は怖い。社会にとっての正しいは個人にとっての間違いであるだろうし、その逆もまた存在する。
自分の生きる世界にこの作品の世界を当てはめることを考えるとゾッとした。周りと違うこと、決められたことと違うことを欠陥と呼ぶことが、本当に正しいことなのか。正しいってなんだ。


真っ白な部屋に真っ白のシャツを着たニコラス・ホルトと、クリステン・スチュワートがいるだけで絵画なので100点!
といいたのだが、邦題が安直すぎる。原題の「EQUALS」と海外版ポスターが発表されて観たいと思ったのに、日本に来たらびっくりするほどダサくなってて頭を抱えた・・・。