けまろう

第三世代のけまろうのネタバレレビュー・内容・結末

第三世代(1979年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

『第三世代』鑑賞。タイトルは新しい価値観をもつ新たなテロリストとしての「第三」らしい。
ショーペンハウアーの『意志と表象としての世界』を引用し「人間は愚かだ」という悲観主義に基づいたストーリー構成。事実、主たる登場人物の所属する秘密結社(らしき組織)は、物語中で何も成し遂げずに終わる。それどころか、中途半端な犯罪で多くの仲間の命を落とすほど「愚か」な存在として描かれる。
若者たちがアジトで何かを企てる姿は、若者らしいエネルギーを感じる一方で、群れなければ何も成し得ない(群れても何も成してないが!)無力さをも痛烈に批判しているようだ。彼らは危機に直面するたびに、アジトに群れる。そして、何も進歩的なことをしない。それは合目的性の欠けた、手段が目的と化した近代社会の弱さではないだろうか。なんて書いたところで自己の棚上げブーメランが刺さる。
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