北野武監督の映画、『ソナチネ』や『HANABI』なども静かで乾いているが、これも凄かった。
風景が乾いている、舗装されていない道や、建物など、服装も地味な色が多く、まさに「寒村」といったものだ。
盛り上げるための音楽もほとんどない。
そこで、淡々と抗争が起こる。東映ヤクザもの、実録路線で千葉真一や北大路欣也などがやたら叫んだり狂犬ぶりを発揮するのとは異なり、こちらはあくまで静かだ。
しかし、暴力の連鎖を断つのも暴力なのか。
表に出ない情念が見えないぶん、スリリングで、誰もがラストの決断に衝撃を受けるだろう。
日本とも韓国とも、もちろんアメリカとも違う「ヤクザ」(で、家族)映画だった。