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発禁本「美人乱舞」より 責める!のmingoのレビュー・感想・評価

3.9
シネマヴェーラにて鑑賞。
「実録阿部定」から続く昭和史三部作の最終作。伊藤春雨という責め絵師がその妻をモデルに「責め」という一種の極限状態を通して描いた本作だが、芸術の探求に取り憑かれた狂気と、苦しみながらもそれに応えずにはいられない男と女のせめぎ合いが素晴らしい。

作り込まれた日本民家の古びたセットから繊細に差し込まれる光が観るものの心を貫く。流石、森勝のキャメラ。まさにロマンポルノの映像詩人たる所以の映画術である。
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