お供は仕立てたスーツと黒傘とJB。
下町のやんちゃな若者が立派な紳士(キングスマン)になるまでの物語。
今まで観なかったことを悔やむくらい、めちゃくちゃ面白かった(*^^*)！！映像も選曲もセンスの塊みたいで、悪ふざけ一歩手前のポップな映像、クールな音楽、キレッキレッのアクション、数々の遊びとオマージュ、スパイ映画のリスペクト愛に溢れた超娯楽映画。高評価も頷けます♪
【ゴールデンボーイ※の発掘】
※才能や将来性のある若者のこと。
「父親代わりの男が師匠になり、未熟な若者を教育する」物語と言えば、『ベスト・キッド』『スター・ウォーズ』『ハスラー2』(例が古めですいません)で描かれた鉄板成長物ですが、本作ではスパイに抜擢される若者エグジ－とそれを演じる新人タロン・エガートン自身の"同境遇"が奇跡的に合致したユニークさが面白いです。
あたかも『ローマの休日』におけるアン王女の屈託のない美しい笑顔が、当時ほぼ新人のオードリー・ヘップバーンによって永遠に人々の記憶に刻まれたように、エガートンの新鮮な個性はエグジーとして凄く魅力的だったと思います。
エガートンの素朴で親しみやすく男らしい個性が、観客の共感を自然に呼び覚まし、エグジーの感じる驚き、戸惑い、喜び、怒り、哀しみ、決意としてリアルに受け入れさせてくれます。
キングスマンの秘密基地を初めて見た時の「ウォッ！」っとにやけた表情は笑えますし、どこか犬っぽいところがまた良い！パグがよく似合う。彼を抜擢して正解でしたね。
【新人を支える個性的なベテラン勢】
『英国王のスピーチ』の名演でアカデミー賞主演男優賞を受賞したコリン・ファースの英国紳士の佇まいが完璧すぎる。まさに"歩くダンディズム"。
文芸大作の演技派で売っていた彼が、まさかの超絶アクションを披露して"戦うダンディズム"に化けた時の驚きは、「あなたはあのコリン・ファースですか？？」と思ったほど。
クールな表情でバタバタやっつけるファース演じるハリーの痛快さが、意表を突いていて凄く良かった！！
全編、渋さとユーモア漂う大人な雰囲気が、ロジャー・ムーアの「007」みたいで格好よかったですね(*^O^*)♪
脇役に回るといぶし銀のマイケル・ケインは、かつて『国際諜報局』でサラリーマンスパイをスーツ姿の黒縁眼鏡で演じていました。ハリーとエグジーの格好はそこから真似をしたものでしょう！
渋くて英国紳士ルックなファースやケインと違い、対照的な俗物富豪ヴァレンタインを演じるサミュエル・L・ジャクソンの成り上がり演技。凄く凄～く楽しそうに演じてます(^o^)ﾉﾘﾉﾘ♪♪血を見ると気絶するとかおバカ度アップ(笑)
ファース、ケイン、ジャクソンのベテランおじさん勢が、新人エガートンを支えて盛り上げてくれます。抜群の安定感。
マーク・ハミルの扱いは泣けた。
ギミック感満載のスパイ道具、屋敷の隠し部屋、義足が刀の殺し屋(ソフィア・ブテラが素敵だ)、雪山、マティーニ…散りばめられたスパイネタが、馬鹿馬鹿しくて楽しすぎる(*^^*)♪
JBは何の訳か？僕なら"ファンクの帝王"ことジェームス・ブラウンさ♪ゲロッパ！←ここでは違います。
全編に流れる楽曲も最高ですが、僕のフェイバリットソングは、Take Thatの"Get Ready For It"♪この曲の雰囲気が好きだ！
抱腹絶倒なド派手アクションは何も考えず楽しむ分にはご機嫌だけど、後述のように嫌いなシーンもあって鑑賞後は複雑な気分でした。
【不謹慎すぎる描写】
教会のシーンと大花火シーンが嫌いです(>o<")！！
死がジョークのように描かれているようで、どうにも気になってしまう(『シン・シティ』も同じ理由で嫌い)。
実は今まで観なかったのも、予告編でこれらのシーンを知っていて気分が悪くなりそうだったから。表現方法から風刺やブラックジョークとして理解はしているけど、どうしても胸糞が悪い。う～ん、やっぱり無理だった(-_-;)ｼｭﾝ
この２つのシーンの嫌悪感だけが拭えなかった。他が大好きなだけに…そこはとても悲しい😖💦
電話とネット無料のSIMカードが配布されたら、自分も確実に手に入れるね…ということは😨ｼｮｯｸ
オープニングとエンディングのくだり(「マナーが人間を作る」)も凄く大好きだから…気になってしまったのは残念でならないです。
エグジーの成長物語に話を絞ってくれた方が僕には好みだったかな。
最後はケチをつけてしまったようだけど、スマートでお洒落で(悪ふざけがすぎる)格好よいスパイアクション映画として出来は凄く良いです！！
続編公開の予習を兼ねて。
(全世界9月22日同時公開と思ったら、日本は来年1月5日だったのね…まだ先だった😨)
