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ZOOのTakaCineのレビュー・感想・評価

ZOO(1985年製作の映画)
3.6
【美しき変態映画】
久々にグリーナウェイ作品を観ましたけど、やっぱり変な作品でしたね(褒めてます)😁

冒頭から暗く不穏な幕開けと「ZOO」の青文字が凄く美的で良いですね‼️

計算された線対称(シンメトリー)な構図、西洋絵画を思わせる強烈な色彩と美と醜が入り交じった映像、マイケル・ナイマンのバロック調の規則正しくも時にエッジが効いた音楽が魅力的で、意味は全く分からないけど、とにかく特異な世界観に惹き込まれました😅
まさにアート作品です🎨

美意識の塊みたいな映画。

感覚的には、(野菜や植物で顔を具現化した絵を描いた)ジュゼッペ・アルチンボルドの絵画を見た時の衝撃に近い気がしました。緻密で思わず見てしまうけど、美しいというにはグロテスクな感じがあって珍奇なんです‼️

グリーナウェイの画って、そんな感じ(笑)

更に今回の『ZOO』は死がモチーフになっていて、果物や動物が腐敗する姿を(高速再生とはいえ)真正面から映すし、男も女も恥じらいもなく無造作に素っ裸を晒すので非常に驚きます😅

今回は無修正版で公開なので、丸見えですが絵画の裸のような描き方なので、エッチさは微塵もありません。
※モザイクを入れたら、逆に卑猥になりそうですw

あるきっかけで、死に取り憑かれた男たちが様々な死骸の「腐敗」を撮影する…って話だけで十分ヘンタイな感じしますが、シンメトリー、体の一部を失った人たち、檻、中絶、双子、フェルメール、など様々な要素が散りばめられて、監督の「狙い」があるとは思いますが、劇中の台詞と同じくらい意味不明です😅(笑)

ただ例えば、2つに分かれているもの

生と死
男と女
美と醜

それらが1つに集約されていく感じがありましたが…

芸術的すぎて僕には分かりません😥💦

人々の行動が謎すぎて(特に説明もないし)、頭に「???」ばかり浮かびます💦

…なので、途中から思考を停止して映像に浸っていました😁

隣で観ていたおばあちゃん、殆ど寝てましたね😪
(無理もないと思います)

劇中の台詞で、「腐敗は均等が取れなくなる(崩れてしまう)ので美しくない」は妙に納得できました。

コマ撮りの腐敗映像を何回も見せられると、見慣れて「こんな感じで腐敗するのね!」って不快さが減ってしまうので、グリーナウェイの術中に嵌まったかもしれません😅

あと、クドイくらい本当に画面がシンメトリーだったのと、カタツムリ🐌がたくさん出てきたのが印象的でした。

最高に芸術的な映像美と偏執狂な嗜好が共存した実験映画(アート作品)でしたね。

一度は観たかったので、希望が叶って良かったです。

昔観た『コックと泥棒、その妻と愛人』(1989)の方が、娯楽性とドラマ性があって面白かったです。

僕の大好きな俳優ブライアン・デネヒー主演の『建築家の腹』(1987)も、いつか観てみたいです😌
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