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君たちはどう生きるかのTakaCineのレビュー・感想・評価

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.5
【宮崎監督の願い】
やっとタイミングが合って鑑賞できました🎞

ちょうど、英国アカデミー賞アニメ映画賞受賞のお知らせがありましたね☺️㊗️👏

本当におめでとうございます🎉

また米国アカデミー賞の長編アニメーション賞にノミネートもされていて、こちらの発表も楽しみですね(日本時間3月11日)

《アニメの素晴らしさ》
まず驚いたのが、アニメだから表現できる独自のイマジネーション世界の素晴らしさ✨

ジブリの過去作品の集大成と思える、見事なキャラクター造形や数々の躍動感溢れる描写が魅力的でした‼️

大切な人を探しに行く"オルフェウス"の物語をベースに、『オズ』(1985)や『パンズ・ラビリンス』(2006)のような、現実とリンクした白昼夢(もしくは悪夢)のファンタジー&ダークな世界観、『千と千尋の神隠し』(2001)のような自己認識と成長を描いた作品という印象でした。

実写やCGとも違う作画ゆえに表現できる、緻密で美しい配色と線・絶妙な誇張と造形美・イキイキした動きなどが全編に溢れていて、とにかく観ているだけで楽しくて眼福👀💕

さすがジブリ‼️

《熟慮を求める映画》
アニメが最高峰で大満足なのですが、物語が…わ・か・ら・ん・ち・ん😅(失笑)

特に公開当時から何の宣伝もなく、どんな物語かも分からず、全てが謎のベールに包まれていました。

正直、観た直後は「作画が凄い!情報量も多い!」そして「何だかよく分からない…」でした😥

いつものように女性主人公ではなく、男性主人公にしたところに、宮﨑駿監督自身の投影があるように感じました。

主人公眞人(まひと)は、ある事柄をきっかけに心を閉ざしてしまい、異世界(黄泉の国)に誘われる中で、心の病を見つめ、やがて克服し自分なりに立ち直っていく物語。

その際に出会うアオサギ、ペリカン、カエル、インコ…など動物たちの目、デフォルメされた頭が大きめのオババたちが特に怖かったです😱💦

更に血や内臓が垂れ下がったり、大量に動物が押し寄せてくる描写は、あまりにグロくてホラーすぎます😱💦

なんだか物語全体に「死」のイメージが漂っていました。

ワラワラは霊魂っぽいし、「我を学ぶ者は死す」の文言が刻まれた門は「地獄の門」に違いないし、「生と死」と「穢れと贖罪」を内包する物語は一見には難解😱💦

最後は、この地上の存続に関わるテーマが出てきますね。

どんな石(意思)を築くか?
どんな自分(アイデンティティ)で、地上を創造したいか?

矛盾も葛藤もトラウマも悪意も持ち合わせた眞人(まるで大叔父と同じ)が、全てを受け入れ自ら考えて、争いとインコたち(殺生や消費にまみれた人間の象徴)が蠢く地上に舞い戻り、大叔父とは違う眞人だから創り出せる世界とは…

そこに、クリエイター:宮崎駿監督が託した願いが込められているように感じました😌

故に「君たちはどう生きるか?」

ずっと熟慮したくなる映画でした。

これから、ゆっくりとみなさんのレビューを拝読して熟慮したいと思います。

《備考欄》
映画に影響を与えた作品

「君たちはどう生きるか」(吉野 源三郎著 1937)

「失われたものたちの本」
(ジョン・コナリー著 2006)

この二冊もいつか読みたいです。
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