ひでやん

キングスマンのひでやんのレビュー・感想・評価

キングスマン(2015年製作の映画)
4.3
イギリスのスパイ組織を描いたド派手なアクション映画。

スパイはやっぱり英国紳士ということで、コリン・ファースはおあつらえ向きだ。品があってクールでスマートで何をやっても紳士的。

随所にスパイ映画のオマージュが散りばめられていて、特に007を強く意識しているなあと思った。

オーダーメイドのスーツと傘は防弾仕様、眼鏡は通信、録画機能付き、靴は靴底に秘密の仕掛けがある。スパイ物の必須アイテムである秘密道具も楽しませてくれた。

選曲センスも抜群!
そして、とにかく凄いのがアクションだ。キックアスで切れ味抜群のシビれるアクションを撮ったマシュー・ボーンがキングスマンでも全開にやってくれた。
痛快、爽快ド迫力のアクション!

クライマックスも勿論凄いが、一番度肝を抜かれたシーンは教会。これ、どうやって撮ってんだ?と思うスピード感のある映像が圧巻。

至近距離でザックザク倒すアクションなのに、そこには英国紳士の品格が保たれている。エグいのに美しい。

威風堂々が流れるシーンは好き嫌い分かれるだろうね。「命」をシリアスに見つめると、下品で悪趣味といった感想になるでしょう。

だけど、映画の中の作り話と割り切って、金持ちだけ選ばれて助かる世界なんてファックユー!という気持ちで打ち上がるきのこ雲を観ればいいんじゃないかと思う。もし、きのこ雲演出ではなく、血しぶきブシャシャーの演出なら、それはそれでグロ過ぎてダメだよね。

最後に、お酒の話を少々…。

スパイは、お酒をたしなむという事で、劇中でスコッチ、ブランデー、
ワイン、カクテルと、様々なお酒が出てきた。

その中で、エグジーが敵のアジトに潜入して、マティーニをボーイに注文するシーン。

「ベルモットは入れず、ボトルを眺めながら10秒ステアで」

は?意味分からん、て台詞だった。
かつての英国の首相チャーチルは、
マティーニをこよなく愛し、ベルモットの瓶のラベルを眺めながら飲んだという。

チャーチルのマティーニにオマージュを捧げているのか………て、
ベルモットを入れなかったら、ただのジンだよね?超辛口のジン!
え?ボトルを眺めたイメージが入っている?バカヤロー。

そして、オレは妄想した。
スーツをビシッとキメて、黒縁メガネで店に入る。

「いらっしゃいませ、ご注文は?」

シブい声で
「カレーライス。ルーは入れずに鍋を見ながら10秒間米をかき混ぜろ」と注文。

しばらくして、頬をヒクヒクさせて、
ものっそ冷ややかな目をした店員が
「おまたせしました、カレーライスです」と言ってテーブルにただの白米を置く……おバカな妄想だ。
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