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ヘイトフル・エイトのcinemakinoriのレビュー・感想・評価

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)
3.8


“黒人が安全なのは白人が丸腰なときだけだ”
“手紙は白人を信用させるために必要なんだ。お前にそれがわかるか?”



【第1章〜第3章までの会話劇】

クエンティン・タランティーノ監督と言えばオーディエンスを弄ぶかのような急展開やぶっ飛び感、整合性の破壊と風刺を込めた分厚いメッセージや皮肉が彼らしさなので、諸々心構えを装備してからの観賞。

タランティーノのお家芸とも言える、口の悪い会話劇は時代背景が変わっても健在。
先ずはそんな会話劇がひたすらにダラダラと展開していくチャプター1〜3(この作品は各章によって構成されてます)で、仕事帰りの深夜の眠気に勝てず、ワタクシ、ワンダウン食らいました。←寝落ち
ただ、この作品がタランティーノと解って鑑賞し始めた訳だから、このまんま終わる訳がない!と、百パーの確信のもとに改めて今朝、最初から再鑑賞。
まぁ、見事な皮肉と差別と毒舌の雨あられはタランティーノファンなら誰しも耐性が出来ている雑言だわな。
果たしてこのガトリング的会話劇や妙に意味深なシーンの何処からどこまでが回収されていくのだろう?
そんな不安と期待がよぎるのもタランティーノの醍醐味。



【第4章からのバイオレンス劇】


はい!来ました!待ってました!
この作品の醍醐味はこのチャプターからいよいよ本領発揮です。
先ず、フロムダスクティルドーン並の序盤までのテイストとの整合性を一切無視した展開にひっくり返りそうになったのは、このチャプターから突然、タランティーノ本人のナレーションがブッ込まれるという意味不明さw
この遊び心がタランティーノよね♬
勿論、ストーリーもとんでもない展開に!
バイオレンスでスプラッターでひたすらカオスな情景。 

で、果たして前半の諸々がどれほど回収されているのか!!??
それらをひっくるめての世界観がタランティーノですな。

B級映画へのオマージュで有名なタランティーノだが、今作は自身の作品へのオマージュが印象的。
タランティーノ好きならハマる作品だが、好き嫌いがハッキリと別れる作品でもあるかな。←パルプフィクション以外はどれもそうだが。

サミュエル・L・ジャクソンの振り切ったガチのクズさ加減は必見!
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