円柱野郎

ヘイトフル・エイトの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

167分という上映時間が長いのか短いのか。
正直、映画の半分くらいまでは長かった。
しかし後半はとても短く感じる怒涛の流れ。
しかも鑑賞後は、あれほど長かった前半があってこそのエンディングだなと納得。
かつての南軍北軍にいた白人と黒人が協力して“吊るす”シーンは、カート・ラッセルが演じた賞金稼ぎに対して見せた最後の手向けとして、その前半で見せた関係性があってこその説得力だろう。

全体的には6つのチャプターがあり、大まかには3つの場面…“ミニーの紳士服飾店”へ到着するまでの前振り、密室劇での駆け引きと殺人、そしてネタ晴らし&エンディングで構成されている。
ネタ晴らしになるまで登場しない人物がいるので“ミステリー”としては反則なんだけど、まあその後の展開がタランティーノらしい凄まじく血みどろなものだったので、そんなことはどうでもよくなってしまいました。
喋って喋って、そして撃ち殺す時にはためらわない。
タランティーノ監督の作家性に満ち溢れた作品!
まさかの登場、チャニング・テイタムも良いよ、その弾けたあっと言う間の散り様!w

とにかく後半が血みどろなんだけど、主に血まみれになるジェニファー・ジェイソン・リーへの扱いに笑ってしまう。
賞金稼ぎのカート・ラッセルにボコボコに殴られ、血を吐かれ、脳漿を被せられる。
ひでーw
でもタランティーノのこの映画はエグいけどそんなに下品ではないんだよな。
汚い言葉や差別用語も多々出てくるけど、ちゃんと人物の背負っている生き様の説得力になっている。
そこがやっぱりこの人の映画の魅力。
円柱野郎

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