冴えない学生の主人公。高嶺の花のヒロインに恋をするも、車を持ってない主人公はスネ夫系友人の引き立て役……。
そんな彼が誕生日に両親に買ってもらったのは中古のボルガ。埃っぽくてレトロな感じが今時の学生には全然ウケない代物だ。
しかしその車にはものすっごいヒミツがあった!
なんというか、空を飛ぶのだ! よくわからないナノ触媒という技術が燃料エネルギーを百万倍にして――何故その技術を用いて空飛ぶ車を作ってしまったのかはさておき、主人公はその車を利用して空を飛び、花屋の配達のバイトで金を荒稼ぎする。
そして色々あって主人公はその車を使って人々を救うヒーローになるというお話。
それにしても、話の流れがモロに『スパイダーマン』である。叔父の代わりに本当の父親が充てられている以外は本当に『スパイダーマン』だ。
火事の現場に空飛ぶ車で突っ込んで子供を救出するくだりとかまんま『スパイダーマン』だ。
ピーター・パーカーがクモに噛まれたように、この映画の主人公ディミトリ(今唐突に思い出した)は空飛ぶスーパー中古車を手に入れたのだ。
大いなる中古車には大いなる責任が伴う……なんてことは誰も言ってないが大体そんな感じの映画だ。
後半には敵(一応いる)が主人公の車と同じものを開発。ミサイルなどを装備した完全武装仕様で主人公に襲い掛かる。
どうしてこっちも車で対抗したのかはよくわからないが、空飛ぶ車でドックファイトというのもなかなか味わい深い。
『ウォンテッド』『デイ/ナイトウォッチ』のティムール・ベクマンベトフが制作に関わっているのでハッタリの効いた映像は圧巻。
DVDのジャケットでは主人公が運転席ではなく車の上に乗ってカッコつけているが、劇中ではそんな桃白白みたいなことは一度もしていない。
主人公とヒロインの恋愛模様は、クライマックスでの大きな伏線となっているので、そこそこストーリーも楽しめる。
どうやら2の企画があるっぽいのだが、果たしてどうなんだろうか……