emily

あと1センチの恋のemilyのレビュー・感想・評価

あと1センチの恋(2014年製作の映画)
3.8
 6歳の頃からすべて共有してきたロジーとアレックス。二人はイギリスの片田舎からアメリカのボストン大学に一緒に行こうと約束し、二人とも合格する。しかしロジーはクラスメイトと一夜の関係を持ち、妊娠してしまったのだ。そのことをアレックスに言いだせず、地元に残り子育てに奮闘するが・・・

 12年間にわたる男女のすれ違いを、披露宴から過去の回想、回想の中に子供の頃の回想を交え、今に追いついていく。時間軸を上手く交差させ、センスの良い音楽とスピード感のある見せ方、シンプルなストーリーながらも見事に少しずつすれ違って行ってしまうもどかしさを巧みに操っている。色彩も眩しく煌びやかで、シーンを盛り上げる音楽が印象的である。人間らしく目先の幸せ、楽な道を選択してしまう落とし穴に何度も落ちてしまい、どんどん遠回りしてしまう二人。しかしその選択の数々はリアリティがあり、そのすべての遠回りがしっかり最後に回収されていくので、感動を生む。

 それは初めから誰しもが望むラストにしっかり持って行ってくれる。だからこそすべての遠回りが愛おしく感じるし、その分二人の愛は絶対的な物になるのだ。障害が大きければ大きいほど固い絆で結ばれる。本当に大事な人はいつだって一番近くにいて見守ってくれている。高望みして上ばかりみてたら本当に大事な物を見失ってしまう。

 
emily

emily