塩辛亭ショッパイ

あと1センチの恋の塩辛亭ショッパイのレビュー・感想・評価

あと1センチの恋(2014年製作の映画)
3.3
 男女の友情成立しない説を描いた『あと1センチの恋』である。まず友人同士のくせに常に顔が1センチの距離でどうする。日本でいったらすでに恋人同士じゃなきゃありえない距離感と関係性だし、「何でも相談できる幼馴染で唯一無二の親友」でありながら、相手の恋心にこんなにも気づけないって、それは果たして本当に親友と呼べるのだろうか。人の気持ちにあまりにも鈍感すぎやしないか?

 まぁ親友の定義はそれぞれだろうけど、あんなに仲良くしておきながら、あそこまでの異変に全く気づけないようじゃあ……ねぇ。

 それに、ロージーとアレックス、他にひとりも友達いないのか? 映ってないだけだと言われればそれまでだが、それこそが本作イチのモヤッとポイントで、主演ふたり以外の登場人物が「もどかしい恋」のために都合よく用意されたキャラにしか感じられなかった。みんな血が通ってなさすぎる。

「ロージーちゃんがアレックス君とあーなって、こーなって、意識しあってるんだけどすれ違いが起こってぇ、その後ちょっと離れてぇ、で、大きな盛り上がりどころを作って、さらにふたりを引き裂くためにあの娘を登場させといて〜、最後にどんでん返しで…キャー♥ マジ卍じゃない? あ、あと、あのシーンもカワイイから入れたいんだけど、、、だったら娘がデキたってことにしちゃって、流れ的にお父さん、かわいそーだけど死んでもらっちゃおっかNa……☆」

 きっと脚本はこんな風にして作られたに違いない。それほど、出てくるキャラとその行動、突然起こるハプニング等が全部「こんな話にしたい」がために無理やり当てはめた感がハンパないのだ。激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームな作風である。

 ふたりのために都合よく用意された他の全キャラたち、その〝使い勝手の良さ〟加減がフィクションとはいえ、不憫でしょうがない。
ストーリーも、テンポがいいとかそんなのを通り越してもはやダイジェスト。朝ドラ一週間まとめ放送よりダイジェスト。
 
 やたらと薄いサガミオリジナルムービーに感じてならない……と言っておきながらロージー役のリリーコリンズちゃんが可愛すぎて最後まで見たんだけど。

というか、こんなに文句垂れてんのもすべてアレックスに対する嫉妬なのかもしれない。あぁ、リリーコリンズちゃんかわいい
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