Longsleeper

博士と彼女のセオリーのLongsleeperのレビュー・感想・評価

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)
4.0
写真でしか見たことなかったホーキング博士が、そのまま立ち現れたかのようなエディ・レッドメインだった。
エマ・コリンのダイアナ妃でも思ったけど、断片的にしか知らない人と「似てる」って思わせる演技って凄い。

過剰な演出はなく終始淡々としてて、二人にとって何がベストなんだろうと考えさせ続ける映画だった。
それが、博士とジェーンへの最大の敬意の表し方でもあるのかもしれない。
好きになったばかりの人が余命2年と聞かされて、でも一緒にい続けて結婚して、進行が遅くなって20年以上暮らし続けて、というお互い波瀾万丈の人生。
一人で博士も3人の子どもも支え続けるなんて人間技じゃないし、ジョナサンがいてくれて良かったんじゃないだろうか。エレインも。
エレインものちに離婚してるようなので何とも言えない部分はあるけど。

ドラマや映画で昔の風景が撮られる時、その時代の良い部分だけにフォーカスして当時を美化する映像になってることが良くある。
でもこの映画では、60〜80年代ごろの独特の暗さも排除せず映しとってる感じがした。
その中でもジェーンの服装が可愛かったり、イギリスの田園風景が美しかったり、バランスが良かった。

最後のLook what we made. からの回想巻き戻しにグッと来た。
学生時代の無邪気な恋愛から始まった二人の時間が、本当に本当に遠くまで来たなあと思った。
人生を分かち合うって綺麗事じゃないけど、それができる誰かに会えたことが凄いことだな。
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