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博士と彼女のセオリーのemilyのレビュー・感想・評価

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)
3.7
物理の天才として将来を期待された青年スティーブンと詩を勉強しているジェーンは激しく恋に落ちる。スティーブンはALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し、余命2年と宣告されるが、それでも二人は純愛を貫き難病に立ち向かっていく。

 青い色彩、運命的な出会い、キラキラした二人の時間、ずっと続くと思われた夢のような時間。二人を包む花火や当たり前の日々も幻想的に、上から捉えるカメラや、しっかり描写する美しい庭園の中で誰もが憧れるラブストーリーから一変し、立ち向かう現実。

 スティーブンを演じるエディ・レッドメイン の演技が光る。麻痺が始まってからの気持ちと現実のギャップを繊細な表情や動きで見せてくれる。ただ本作は妻の自伝を元に描かれているので、スティーブンの苦悩より、妻の苦悩が”きれいに”描かれている。ラブという枠組みの中で、あくまで幻想感の中で描かれており、その結末もきれいにおさめられている。たとえ別の人に心が動いても、もっと奥の部分で二人はつながっている。誰かを愛するのは良い時間だけではない。辛い時間をいかに共有し、乗り越えていくかで、二人の愛は育まれていく。たとえその結末が悲しい物になったとしても、紡ぎあげてきたものは決してなくならない。そうして一緒に居るだけでが愛ではないのだ。幸せな時間は決して永遠ではない。辛い現実に直面したときこそ、その愛は試される。