うめまつ

オデッセイのうめまつのレビュー・感想・評価

オデッセイ(2015年製作の映画)
3.6
宇宙兄弟読んでたらSF欲を満たしたくなって観た。やっぱり最後に身を助けるのは農業なんですね。。とか、あぁ頭良くなってNASA語を理解したいなぁとか、ジェシカ様かっこいーとか色々あったけど、どんな設定や描写よりも主人公のタフさに慄く。1人で火星に取り残されてもいじけたりしないし(私はする)、お腹にアンテナ刺さってもお母さーんって泣いたりしないし(私はする)、折角育てたジャガイモがダメになってもふて寝しないし(私はする)、いくら宇宙飛行士はストレス耐性のある知性人が選ばれるとは言え、あんな極限の状況で一度も精神を病まずにやるべきことを淡々と遂行し、挙句独り言にアメリカンジョークまで挟めるなんてマジメンタル強靭過ぎるぜ。。と安心し過ぎて後半はまったりしちゃったから、もうちょっと人間臭い弱さを入れても良かったと思う。

あとはNASA側のスタッフの描き分けや他のクルーとの関係性とか、主人公家族のウエットな描写とか入れてくれたらまんまと感情移入してたと思うけど、良くも悪くもカラッと乾いたロジカルな作風で見やすかった。でもこれを日本人でやるなら台詞もナレーションも最小限にして、高倉健さんの寡黙な火星サバイブが見たい。そしたら無言でジャガイモの芽を見つめるだけのシーンでも泣けると思う。
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