うめまつ

チップス先生さようならのうめまつのレビュー・感想・評価

チップス先生さようなら(1969年製作の映画)
4.6
堅物生真面目不器用教師のピュア・オトゥール様が愛おしすぎて、観ながら「好き」って100回は口から漏れてた。気を抜くと今も漏れちゃう。はぁ、好き。偏屈に見えるくらい真摯に教師という職務を全うし、生徒を正しく導くことに人生を捧げているのに、自分が他人から愛されるなんて夢にも思ってなくて、思いがけず愛情を向けられると「本当に意味がわからない」みたいな顔をする。その瞬き多めの不可解顔がとてつもなくチャーミングだし、大事なこと話す時に必ず眼鏡を取る癖にも胸がギュッとなる。はぁ、好き。(※ここからもオトゥール様LOVE、という趣旨の事しか書いてませんので引き返すなら今です。)

最大の見所は中盤、愛する人を追いかけて大型犬2匹と一緒に全速力で走っちゃうオトゥール様!アカデミックガウンを翻して派手にすっ転んじゃうオトゥール様!!「(偏見や脅迫に)私は屈しない!」って叫んで走るバスに飛び乗っちゃうオトゥール様!!!。。。で気持ちが最高潮に盛り上がったところで入る《 intermission 》の文字。。。おもてなしが過ぎる。こちらの気持ちの給水所まで作ってくださり大変ありがたい。あのまま一緒に突っ走ってたら高揚しすぎて危なかった。

愛を得て世界が輝き花が美しく見えて歌ったり(なんとミュージカルなのだ)、眠る前におやすみを言うくらい当たり前に「君は美しい」と呟いたり、生徒がキャサリン(妻)に想いを寄せていることを察知して盛大に嫉妬したり(この時キャサリンが爆笑してるのも良い)、校長になれなかった時も「私と結婚した代償のちっぽけな埋め合わせに、せめて君を校長夫人にしたかった」と自分のことそっちのけで悔しがったり。。もうこっちの心臓がもたないので、1回くらい幻滅させて頂けないでしょうか?と思うほどに理想的なオトゥール様で感無量でございます。本年度の最愛主人公賞(男性部門)は見事チップス先生に決定致しました。おめでとうございます!ありがとうございます!!

ボンペイの遺跡/愛と適正度/卵焼きの再会/明日か来年か天国で会いましょう/アポロの像/芽の戯れ/男の子ばかりの子供/ピアノの下の17歳/机の上の手紙
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